保育士不足なぜ?保育士・てぃ先生と考える「負担の8割は書類作成など」

小川彩佳キャスター:
「異次元の少子化対策」と銘打っているわけですが、“異次元感”というのは…

てぃ先生:
それは全く何もないです。これは全国の保育士が同意だと思います。

小川キャスター:
保育士不足は何が一番問題だと感じていますか。

てぃ先生:
もちろん賃金も問題だと思います。冷静に考えていただきたいのですが、その賃金の前提には、負担の大きさに対しての賃金だと思います。そう考えると、一番の問題は業務負担の部分なのではないかと思います。

例えば“書類作成”。保育士の仕事は子どもたちと楽しく遊んだり歌を歌ったり、公園で走り回ったりなどすることだというイメージの方も多いと思いますが、それは僕の体感だと負担は2割ぐらいです。残りの8割の負担は書類やその他の雑務にあるんですよね。特にやっぱり書類。

藤森祥平キャスター:
「年間指導計画」「月間指導計画」「週間指導計画」「日間指導計画」、指導計画がいろいろあります。それぞれ違う書類を作らなければいけないということですが、計画を丁寧に考えて1枚作るのにどれぐらいの時間がかかるものですか。

てぃ先生:
先生のスキルにもよりますが、ベテランの先生でも各30分~1時間ぐらいかかります。実際には小さい字でバーって書くものなので、なりたての先生だと1日じゃ終わらない感じです。

藤森キャスター:
実は国が定めている保育指針を見ると、保育が適切に展開されるように「長期的な指導計画と短期的な指導計画を作成しなければいけない」とされています。この部分について、1965年策定の「保育所保育指針」が今も変わっていないそうです。

こども家庭庁の担当者によると、「それぞれの保育園が工夫して制作することになっている。必ずしも4つ求めているわけではない」ということです。

てぃ先生:
これははっきり言って言い訳です。全国のほとんどの保育園は4つ作っていて、こども家庭庁も実態として把握しているはずです。「必ずしも4つ求めているわけではない」は言い訳でしかないと思います。

実際、認可園の場合は必ず自治体から監査が来ますが、何かが欠けていたら絶対に指摘されます。4つないことはほとんどありえません。

仮に本当にそう思っているのであれば、「必ず4つ作成しなくてもいい」と、もっとアナウンスして欲しいです。