勝敗が“じゃんけん”で決まる試合も…暑さ対策を徹底した野球大会
実際に暑さ対策を徹底すると、運営にどんな支障が出るのだろうか。

8月上旬に鳥取県で行われた小学生の野球の全国大会。日中の暑い時間を避け試合時間を朝(午前8時半~)と夕方(午後4時~)の2部制に。
さらに試合開始前と各回ごとにグラウンドの暑さ指数を測定し、運動は原則中止とされる「31」を超えた場合は試合を行わないことにした。
しかし、試合開始予定の午後4時でも気温が下がらず、いったんベンチで待機することに。当初の試合開始予定から、30分が経過。日が傾き、ようやく始まった試合。
しかし1回が終わったあとの計測で、またも暑さ指数が「31」を超え、1回で中断してしまった。

試合が再開できたのは午後5時を過ぎてから。球場を使用できる時間が決まっているため規定の6回までは行えず、4回で打ち切りとなった。
鳥取でも記録的な暑さとなった2024年の夏。他の試合でも、中断を繰り返すケースが相次いだ。

鳥取県スポーツ協会 吉岡千春さん
「子どもたちが全国から鳥取に来てもらっているので、ぜひとも野球をして帰ってもらいたい」
主催者側も水をまいたり、窓を開けたりと、あの手この手で球場の温度を下げようとするが、それでも暑さ指数は「31」を下回らず。
予選を勝ち上がった全国16チームがトーナメントで競うこの大会では結局、全18試合中、規定の6回までできたのはわずか2試合だけだった。

中には1回の表裏で打ち切りとなり、0対0のまま“監督同士のじゃんけん”で勝敗を決めた試合も。敗れたチームは…
松阪ファイターズ 久野勇貴監督
「全国で1つ勝ちたい、という思いで一生懸命やってきたので。最後は監督同士のじゃんけんで敗退という形になったので、子どもたちはみんな泣き崩れていました」
選手
「4番までで試合が終わって、僕が5番なので(打順が)回ってきませんでした。初めての全国大会で、1回で終わってそれで負けて、悔しかった」
試合の時間を、さらにずらすことはできないのか。

日本スポーツ協会 菊地秀行さん
「(試合時間を)朝と夕方に分けたのは暑さ指数『31』を下回るようにということで。ちょっと予想よりは気温が上がっている。朝あまり早かったり遅かったりすると、子どもの体に負担がかかるということで。いろいろ考えながらも(試合時間をずらすのは)なかなか難しいところもあると感じています」