◆「推奨」から「努力義務」へ
こうした中、5歳から11歳の接種に使われているファイザー社製のワクチンについて、厚労省は8月30日、3回目の接種への使用を正式に承認しました。

さらに、政府はこれまで「推奨」としていた子供のワクチン接種を、9月から大人と同じ「努力義務」に変更する見通しです。
◆保護者の反応は
罰則や強制力はなく、予防の観点から積極的な接種を呼びかけるものですが、保護者はどう受け止めているのでしょうか。

3児の母親「実際、新型コロナに自分たちがかかってしまって・・・、姪っ子がちょうどワクチンを打ってすぐくらいだったけど、その子だけがうつらなかったんです。だから、少しワクチンが関係しているのかなと思って。打ちたいと思います」
6歳の子供「打ちたいと思う。2回目のコロナにかかりたくないから」

5歳児の父親「努力義務というのは強制的ではないんですよね。まあ、そうですね、個人個人が判断してできればそれでいいと思いますけど、子供になんか害があったら怖いなというのはありますね」
◆副反応のリスクは
多くの保護者が心配している副反応のリスクについて、感染症やワクチンに詳しい長崎大学の森内教授に話を聞きました。

長崎大学 森内浩幸教授「まれな副反応は5歳から11歳では、もっと年長のお子さんや若い大人に比べると10分の1以下であり、しかもそのほとんどが特別な治療をしなくても治っているということははっきりしてきましたので、今ではこのワクチンのメリットはデメリットを上回っている」
◆「同調圧力につながることを懸念」
新型コロナのオミクロン株が国内で流行してから、ごくまれではあるものの、10歳未満の子供が感染後に重症化して亡くなるケースも出てきています。森内教授は、ワクチン接種によって重症化の予防が期待できる一方で、「努力義務」という言葉が一人歩きして同調圧力につながってしまうことを懸念しています。

長崎大学 森内浩幸教授「新しいタイプのワクチンで、いろんなデマが飛び交っている中で、不安に思われるのは当然だと思います。実際に自分自身が納得して子供に接種をさせるかどうかは、十分にかかりつけの医師と相談の上で決めていただければ、それが一番いいと思います。決して、同調圧力で本当は打ちたくないというところにまで接種を進めていくというのは、長い目でみてよくないことだと思います」














