台風10号により宮崎県内で相次いだ突風被害です。
県内では突風によりビニールハウスが倒壊するなどして農業施設に深刻な被害をもたらしています。
(垣内沙耶記者)
「竜巻とみられる突風により、こちらにあったハウスは、この奥の方まで移動し、押しつぶされ、一部、フェンスも乗り越えています」
ばらばらになったハウスの骨組み・・・近くには根元から折れた電柱も倒れています。
宮崎市佐土原町でキュウリを生産しているシナジーファームの西岡社長は、先月28日から29日にかけての真夜中、車を降りた瞬間、突然、強風のあおりを受けました。
(シナジーファーム 西岡征志郎社長)
「ものすごい轟音と地響きぐらいな感覚があった」
そして、翌朝、農場を見てみると…
(シナジーファーム 西岡征志郎社長)
「私の農業用倉庫が見たことのないような潰れ方をしていて、翌朝、よく見ると隣の育苗ハウスが鉄の塊となってこちらに押し寄せてきたということがようやく事態が把握できて、竜巻の甚大さが改めて朝になって確認できた」
3日は、この農場を河野知事が訪れ、西岡社長に当時の様子や被害状況、それに必要な支援などをたずねました。
シナジーファームの設備では、資材を保管していたハウスが全壊したほか、キュウリを育てるハウス3棟の骨組みが200本ほど折れる被害がでたということです。
(シナジーファーム 西岡征志郎社長)
「竜巻被害は局所的に壊滅的な被害をもたらすもので、大きくまとめたパッケージというよりは、個別個別にあわせた支援が必要じゃないかと思う」
(宮崎県 河野俊嗣知事)
「非常にむごいというか、胸が痛む思いで被災地を視察した。しっかり農業を頑張っていこうという方を復旧復興に向けてしっかり後押ししていきたい」
一方、新富町では。
(田尻怜也記者)
「新富町新田にあるこちらのビニールハウスですが、その骨組みの一部が大きく折れ曲がってしまっています」
先月29日の午前1時すぎ、新富町では突風が発生したとみられ、町によりますと、住宅や建物などの突風被害が町内では16件確認され、このうち7件は農業用のハウスの被害でした。
押しつぶれるように倒壊したこちらのビニールハウスにはおよそ50メートル離れた場所から車庫などが飛ばされ直撃したということです。
さらに、近くの農家でも深刻な被害が。
(ピーマン農家 長友年史さん)
「崩れてしまった感じで、計画が。まさか、突風被害というのは想定していなかったので」
22アールのビニールハウスでピーマンを栽培している長友年史さん。
全体の3割ほどのビニールハウスが突風により骨組みが大きくゆがみました。
(ピーマン農家 長友年史さん)
「根石が持ち上がって、ハウスがゆがんでいる。すごい有様だった。柱もほとんど落ちちゃってるとか」
長友さんは今月中旬にピーマンの苗植えを予定していましたが、今シーズンはハウスの復旧が間に合わないため、およそ690本分の苗植えを断念しました。
「9月23日定植がだめになって、修繕も来年の5月まで使えないということで、本当どうしようって感じだった」
県では、台風10号に伴う農作物や農業用施設の被害について調査を進めていますが、全容はまだ分かっていません。
台風10号の被害状況について、県のまとめによりますと、2日現在で、負傷者が38人、住宅の被害が986棟となっています。