熊本県のベテラン漁師が、出荷の際に余った魚を活用した商品を開発しました。「漁師だけど“ちょっとかっこいい”」を目指して生まれた、フランス料理の魅力に迫ります。
サイズや数が合わず…「余った魚」どうすれば
午前3時。熊本県の天草西海岸の沖に、一艘の漁船が戻ってきました。

アオリイカやシマアジ、イサキなど、獲った魚を魚種ごとに仕分けて計量しているのは、漁師歴33年の川端一裕さん(53)です。20歳の時から、父・数年さん(83)と一緒に漁を営んでいます。
川端一裕さん「市場の時間に間に合ったからよかったです」
約40キロ離れた魚市場のセリに間に合うように出荷しましたが…トラックは出発したにも関わらず、箱の中にはまだ魚がありました。

川端さん「数が少なかったり市場に出されなかったり…これは今から帰って調理します」
川端さんが行うのは定置網漁。あらかじめ仕掛けた網に入ってきた魚を獲る漁法のため、出荷サイズや数量が合わず、残ってしまうこともしばしばあります。
そこで5年前から始めたのが「余った魚の加工」でした。