台風の影響なく安堵 “坂の町”にどっと人波
岐路に立つ「おわら」

そして迎えた初日。幸い台風の影響もほとんどなく、坂の町には開催を待ちわびた大勢の観光客の姿がありました。祭りの運営などを行うおわら風の盆行事運営委員会によりますと、初日の1日は全国から約7万人が訪れたということです。観光客らは、輪踊りや街流しの美しい所作に見入り、思い思いにおわらの情緒を楽しんでいました。

江戸時代から300年以上受け継がれてきた「おわら風の盆」は、いま、岐路に立たされています。少子高齢化などで全国的に祭りの後継者不足が、課題となっていますが、”坂の町”も例外ではありません。

おわら風の盆行事運営委員会橘賢美さん:「少子化が影響しています。外孫といいますか嫁いだ先が(おわらの)地域外であっても協力して連れてきているので、なんとかやってますが、こればかりはなかなか手の打ちようがない」

踊り子の数が年々減少するなど担い手不足に頭を悩ませています。

おわら風の盆行事運営委員会橘賢美さん:「いずれ各町ごとのやっているものを、小さく運営できなくなった町同士で合併するようなことを考えてく必要が、いずれでてくると思っています」

もう一つの課題が運営資金の不足です。これまでは協賛社からの資金や富山市の補助金などをもとに運営してきました。しかし、仮設トイレなどの設備やスタッフの雇用にかかる経費が年々増加。追い打ちをかけるように近年の電気代の高騰などで、資金繰りが苦しくなっています。

おわら風の盆行事運営委員会:橘賢美さん「いつまでもあると思うな補助金と協賛金という考え方でいま、独自の努力をしているわけです」