今後、この情報とどう向き合っていけばいいのか専門家に聞きました。
松本大学 入江(いりえ)さやか教授:
「この情報は正直とても難しい説明のしづらい情報だと思う」
臨時情報の社会的な影響について研究してきた松本大学の入江さやか教授は、情報の意味を正しく理解している人はまだ少ないのが現状だと話します。
入江教授:
「地震予知ではないということ」
「起きるかもしれないし、起きないかもしれない。不確実性をはらんでいるのが臨時情報の大事なところ」
2011年の東日本大震災をきっかけに議論が進んだ「南海トラフ地震臨時情報」は、現在の地震学でできうる範囲での発生予測で、大地震が必ず発生するという予知ではないと知っておくことが大切だとします。
その上で、今回のような場合も、「空振り」ではなく「素振り」と捉えることが重要だと指摘します。

入江教授:
「結果的には1週間以内に巨大地震は起きなかったんですけど、これは空振りじゃないんです。皆さん今回水を買ったり、家具の固定を確認されたかと思う。そういったアクションは素振りなんです。空振りじゃなくて今回素振りをしたと思ってください」
「ああしろ、こうしろというのは国や自治体は言ってくれない」
「どういう対応をとるかは自分自身で考えなければいけない情報なんです」
次の地震に備えた動きも加速しているようです。
阿智村の昼神温泉。
村と温泉宿などが共同で水や食料を備蓄して、災害への備えを進めています。
阿智村消防防災係 牛山敦志さん:
「水とごはんなどの食べ物が入っていて、500人程度ですかね」
およそ30世帯の村民向けで、1週間分を見込んでいるということです。
阿智村消防防災係 牛山敦志さん:
「旅館の方には布団などいろんなものがあると思いますので、うまく連携とって避難させてもらったりお互いに協力してやっていければいいと思っています」
一方、駒ヶ根市では、南海トラフ地震を想定した訓練が行われました。
火災が発生した際の対応や、パンケーキの炊き出し訓練も。
住民の防災意識も高まっているようです。
住民:
「子どもたちがこの地区に住んでいて、子どもたちと参加したいねって参加した」
住民:
「普段から防災の物なかったが、防災のものを買ったり、防災の意識高まっている。実りある訓練になった」
今後30年以内に70%から80%の確率で発生するという予測に変りはない南海トラフ地震。
今、自分ができることを再確認し、備えていく必要があります。