軽症が多いとされる第7波ですが、コロナ重症患者への処置は続いています。
65歳未満の人が重症化するケースもあり、ECMOでの処置には医療スタッフが大勢必要となるため、救命救急の現場は、ひっ迫した状態となっています。

鳥取県米子市にある鳥取大学医学部附属病院高度救命救急センター。
医療スタッフ8人がかりで患者へ装着しているのは、人工心肺装置・ECMOです。


鳥大病院高度救命救急センター 上田敬博 医師
「第7波に関しては、軽症から中等症の方が多い。その中でも軽症の方が多いのが特徴になりますが、だからといって重症はゼロというわけではないです。この地域でもある一定の割合で重症者は出ているのが現状です」

そして、重症患者は高齢者だけではありません。

鳥大病院高度救命救急センター 上田敬博 医師
「65歳未満の重症者もおられる。実際、呼吸と循環動態が不安定なために、ECMOで管理して治療している患者さんがおられるのが現状です」

今回処置を受けたのは鳥取県内に住む65歳未満の成人で、基礎疾患はありませんでした。


鳥大病院高度救命救急センター 上田敬博 医師
「この患者さんは最初は呼吸苦と脈が速いということで来られて、コロナかどうかは分からない状態でした。結局コロナ陽性だったんですけど、肺炎と循環動態が不安定で、ウイルスが心臓に悪さをする心筋炎。それが重症化した形になるので、コロナ感染症の合併症という形になります」

心不全の状態で救急搬送され、入院時の検査で新型コロナ陽性。
すでに肺炎を引き起こしていて、心筋炎の重症型だと判断されました。


患者が救急搬送されてからECMO着用まではわずか半日足らず。短時間で状態が悪化したといいます。そして、現在も24時間体制でスタッフが付き添い、呼吸管理や血圧管理を行っています。

「コロナは決して普通の風邪ではない」と上田医師は強く訴えます。

鳥大病院高度救命救急センター 上田敬博 医師
「なかには全然基礎疾患が無い方、若い方も一部重症化が見られます。なので、基礎疾患が無いから大丈夫という風に決して油断しないでいただきたいと思います」