地球温暖化などの影響で海洋環境が変化する中、安定した水産資源を確保しようと、陸上で魚などを養殖できる新しい施設が完成し、竣工式が行われました。

宮城県石巻市に建設された「閉鎖循環式陸上養殖研究棟」の竣工式には、関係者およそ45人が出席し完成を祝いました。

この施設は、水槽内の飼育水を浄化しながら再利用する「閉鎖循環システム」を使った陸上の養殖施設です。排水が極めて少なく自然環境への負荷も小さくなります。

高橋未来記者:
「こちらの施設では、淡水と海水どちらの水でも魚を飼育できるということです」

また海水の3分の1の塩分濃度の飼育水も使われていて、淡水での養殖と比較しギンザケの成長にどのような違いが出るのかを研究しています。近年は地球温暖化などによって県の主要な水産物である秋サケやサンマの漁獲量が低迷していることから、県は自然環境や立地、魚種の制約を受けにくい陸上養殖を普及したい考えです。

県水産林政部 中村彰宏部長:
「いかに漁業者のみなさんの経営が安定するか、陸上養殖研究棟を契機に宮城県として、水産県宮城を今後も維持するために取り組んでいきたい」

県水産林政部 中村彰宏部長

施設では現在、ギンザケとイワナを養殖しながら研究を行っていて、今後、養殖する魚種を増やしていく方針です。