障害者の生活の質の向上全般に関する情報提供も

こうした運動習慣を持つことは健康に良い効果があるだけでなく、当事者が元気になって、街に出て社会参加していくことにもつながります。

「SIT-FIT」では運動だけでなく、先端医療や障害者の生活の質の向上全般に関する情報提供もしています。理由として菅原代表はこんな話をしていました。

ユニバーサルトレーニングセンター代表・菅原瑞貴さん
「運動して、健康になって、そのあとアクティブな生活をするっていうところまでがひとつのセットだと思っているので、健康になった後にどうアクションしよう、どう行動しようみたいなところも提供できるようなコンテンツ作りを心がけています。そういう人たちが外に出ていって、社会に混じっていくっていうことがいちばん重要なのかなあと思います。社会にどんどん混じっていく、障害者という括りではなくひとつの特徴をもった人という見られ方になるインクルーシブな社会になる、そういったところにつなげていくのが、私たちの最終的な目的です」

菅原さんのいう「健康になったあとのアクション」とは、たとえば街に出ていく時、おしゃれを意識する障害者がオーダーできるデザインスーツや靴の紹介動画があったり、完全バリアフリーのレジャー体験ツアー(スキューバダイビングのツアーなど)の情報などもサイトの中で公開しているそうです。

国内で車椅子を必要とする人は、障害のある人で200万人、高齢者など部分的に車椅子を使う人も含めると300万人いるといわれています。

その中で、これまでまったく運動習慣がなかった人も少数ではなく、そうした人たちにどうやって運動の情報を届けていくかが、今後の「SIT-FIT」の課題と考えているそうです。

今回のパラリンピックをきっかけに、こうした運動情報サイトも話題にのぼり、障害のある多くの人に、運動習慣が広がればいいと思います。

(TBSラジオ「人権TODAY」担当:藤木TDC)