「格別です!いつも食べているのと全然違う」。中学3年生のリョウ君(仮名)は、慣れないナイフとフォークに四苦八苦しながらも、デミグラスソースがたっぷりかかったハンバーグをおいしそうにほおばりました。その姿を見守るお母さんのエリさん(仮名)と顔を見合わせてにっこり。二人がいま幸せな時間を過ごしていることは間違いないようです。

 8月23日、ひとり親支援団体「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」が企画した「東京ステーションホテル食事会」に、ひとり親家庭の親子21組・約50人が参加、応募総数が230組もあった狭き門でした。親子はまず、ホテルツアーで豪華な客室を見学し、精緻な調度品や歴史ある建物の説明を受けます。「まるで外国に来たみたい」という声やため息、緊張しながらも弾む親子の会話が聞こえてきます。