国をあげた胃がん撲滅プロジェクト

胃がんの原因となるピロリ菌は、人の胃にしか存在しない細菌です。調査の結果、ブータンでは7割の人がピロリ菌に感染していることがわかりました。

2020年WHOのデータでは、ブータンでの胃がん発症率は世界8位で、死亡率は3位。日本の発症率は世界2位ですが、死亡率は37位となっています。

山岡医師:
「胃がんの人を調べるとほぼ100%大体ピロリ菌に感染している。感染したらみんな病気になるわけじゃないんだけども、感染している人は除菌が必要」

当時のブータンには内視鏡を扱える医師は1人しかおらず、機械も1台しかありませんでした。この唯一の医師、ロテ・ツェリン氏がその後ブータンの首相に就任したことで、国をあげた胃がん撲滅プロジェクトが始まります。

左)山岡吉生医師 右)ロテ・ツェリン氏

共同研究が進む中で日本から最新の機械も導入され、検査の精度をあげる環境が少しずつ整えられています。

山岡医師:
「ブータンの人口は80万人なんですが、世界初となる国民全員のピロリ菌を調べようと考えている」