韓国の国会で過半数の議席を握る野党は、「対日強硬派」としても知られる元大統領候補の李在明氏を党代表に選出しました。

野党「共に民主党」 李在明 新代表
「足を引っ張るのではなく、巧みな競争で国民の希望になります」

きのう開かれた韓国の革新系野党「共に民主党」の党大会。新たな党代表に国会議員の李在明氏が選ばれました。

この李新代表、3月の大統領選挙で保守系与党「国民の力」の尹錫悦大統領に惜敗した人物ですが…

李在明氏(去年7月)
「侵略国の日本が分断されるべきなのに、侵略された私たちがなぜ分断されたのか」

「対日強硬派」として知られ、歯に衣着せぬ発言から「韓国のトランプ」とも呼ばれてきました。

国会で過半数の議席を握る野党の顔になり、順調な再スタートを切った李新代表。しかし、大きな不安材料も…

李新代表が京畿道知事だった時期に、妻の金恵景氏が職員を通じて私的な飲食代の支払いに公務用のクレジットカードを使ったとする疑惑について、警察の捜査が本格化。さらに、大統領選挙で公営住宅が選挙活動に利用されていたとする疑惑などをめぐっても捜査が進んでいます。

ただ、今回の代表選で李新代表は党員から8割近くの支持を獲得しました。

野党「共に民主党」 李在明 新代表
「5年後の大統領選挙で、今日の党大会は勝利の進軍を始めた日として記録されるでしょう」

一方の与党「国民の力」は、党内の内紛が法廷闘争に発展するなど泥沼化。

ソウル市民
「政策が後回しになっていそうで、残念なところがあります」

李新代表の動きは、徴用工問題にも影響を及ぼす可能性があります。日韓関係の改善を掲げる尹政権は、元徴用工への賠償に充てるための日本企業の資産の「現金化」を回避する姿勢を示しています。

一方、李新代表は…

「共に民主党」 李在明 新代表(フェイスブック 15日)
「歴史的責任と適切な法的賠償を前提にして、未来志向的な韓日関係を築くべきだ」

直近の世論調査では、野党「共に民主党」の支持が与党「国民の力」を上回っていて、徴用工問題の解決に向け、尹政権が具体的な方策を打ち出せるのかは不透明です。