共学化について、現役の中学生・高校生はどう考える?

小笠原キャスター:
当事者たちはどう見ているかみていきます。

共学化に賛成の市民団体は、

「社会的なリーダーになるためには、高校生活の中で(男女が)対等な人間として経験を積むことが大事」
「履歴書に書いてある出身高校名で、性的マイノリティが意思に反して明かされてしまう懸念」

一方、共学化に反対している卒業生は、

「男女別学は多様な選択肢の一つである」
「女子校の方が女子のリーダーを育てやすく、理系進学者も多い」

ということで意見が分かれています。

さらに、現役の中高生はどう思っているのか。

中学生は、「共学化した方がよい」が18.7%、「共学化しない方がよい」が19.3%、「どちらでもよい」が56.2%。

「共学化した方がよい」と「共学化しない方がよい」がほぼ一緒なんですね。

高校生は、「共学化した方がよい」が7.8%、「共学化しない方がよい」が57.2%、「どちらでもよい」が33.2%。

“共学化反対”の理由として、

「共学校や男女別学校の両方を選べる方がいい」
「伝統の尊重や学校の雰囲気の維持ができなくなる」

このような意見を学生たちは持っているということです。

井上貴博キャスター:
個人的には、男子校・女子高という選択肢があったほうが多様性を尊重できると思うんですが、議論の出発点としてわからないのが、「一つの学校単体で多様性を求めている」のか、「地域全体で多様性を求めている」のかです。

一つの学校で多様性を求めるんだったら共学化しかないと思うんです。でも、地域全体で多様性を求める議論だとすると、男子校・女子高があった方が多様性があるんじゃないかなと思うんですが。

歴史・時代小説家 今村翔吾さん:
僕はこのアンケートが全ての答えな気がします。

「未成年だから判断ができていない」というような意見もあるかもしれないですが、実際、現役の中高生が「共学化しない方がよい」と言っているのだから、そっちの意見を優先すべきな気もします。

ホラン千秋キャスター:
あとは、普通科ではなく、特別な学科が男子校・女子高にあるということで、本当はそのスキルを高校生のときから学びたいのに、性別で排除されてしまうというようなことがあるのであれば、確かに、そこは共学化していってもいいのかなと思います。

ですが、埼玉県で共学の公立高校が150校ぐらいある中の12校だとしたら、10%弱なわけじゃないですか。そうなると、「やっぱり同性の方が安心する」という子もいると思うんです。そういう子どもたちの居場所の選択肢として、少しは残してもいいんじゃないかなという気持ちもある。

小笠原キャスター:
中高生からなぜ“共学化反対”の意見があるのか。

中学生
「共学化により志望倍率があがってしまうから」

高校生
「異性に対して苦手・恐怖心を持っている生徒が、安心して学校生活を送ることができる」

女子高に通う高校生
「共学だと異性の目が気になったり、自分の素が出せないところがある。女子校だと自分の素が出せる」

本当に学生らしい意見だと思います。