最近よく目にする生成AIを使った広告。SNS上では賞賛する声がある一方で“違和感”を抱く人達もいるようです。なぜなのでしょうか?AIエンジニアの安野貴博氏に聞きました。

生成AI広告に称賛の一方、「整いすぎていて不気味」の声も

藤森祥平キャスター:
自民党総裁選のキャッチコピーにもAIが使われたということです。生成AIを使った広告について考えていきます。

上村彩子キャスター:
企業も続々とAIを使った広告を打ち出しています。

日本マクドナルドは、17日に生成AIを活用したプロモーション動画を公開しました。

プロモーション動画についてのネット上の意見を見てみると、「素晴らしい作品、AIが身近になっていく」と称賛する声の一方、「整いすぎていて不気味な印象を受けた」と違和感をとなえる投稿もありました。

藤森キャスター:
AI広告ならではの受け止め方、感じ方があるのでしょうか。

AIエンジニア SF作家 安野貴博さん:
AIに生成された映像を見慣れている人も、見慣れていない人もいる中で、感じ方は人それぞれになったのかなと思います。

本物らしく見えるが、人間が見ると本物ではないとわかるくらいの品質のなので、“不気味の谷”というか、不気味に思う心の動きはあるように思います。

藤森キャスター:
企業側としては、意図していない違和感を持たれてしまうのは不本意ですよね。

安野貴博さん:
もちろんAIがもたらす違和感をうまく使えるケースもあるのですが、伝えたいことを表現するためにAIが有効に働いているのかというところで、受け止め方が変わってくるものなのかなと思います。

トラウデン直美さん:
どんどん新しい技術にチャレンジしていくのは素晴らしいことだと思いますし、AI作品にもすごく面白いものがたくさんあります。

しかし、人間が蓄積してきたデータや、これまでのものを学習させているので、ステレオタイプになりがちなのかなと感じます。

例えば、「かわいい女の子」と打ってみると、似たような“かわいいの基準”みたいなものがAIの中に蓄積されていたり、「こんな学校」と打つと、似たような学校が出てきたりします。

人間がアップデートする価値観みたいなものは、どのようにAIに組み込んでいけるのでしょうか。

安野貴博さん:
AIもツールの一つなので、AIを使えば必ず良いものになるとは限りません。

使う側のリテラシーや、使い方が上手いか下手かによって成果物も変わってくるので、AIを使えば良いというものではないと思います。