日本の子どもは9人に1人が貧困状態。給食がなくなる夏休み。困窮世帯では1日1食、または2食になる子どもが3倍以上増えます。「朝ごはんいらない。昼ごはんも食べない。お腹が空いたら水を飲む」1日1食で過ごす、ある家庭の一日を取材しました。
夏休み1日1食の子どもたち 困窮家庭の実情

所得が低い世帯向けの公営住宅です。小学生のたいきくん、けんじくんと中学生の姉りさこさん、シングルマザーのまさみさんが住んでいます。
――夏休み楽しかったことは?
けんじくん
「楽しかったこと…みんなでプールに行ったこと、それしかない」
りさこさん
「ない。起きてからゲームします、ずっと」
まさみさんは日中、物流業界で非正規スタッフとして働いています。両親の離婚は9年前。養育費は支払われていません。
時刻は午後1時前。

――昼ご飯は普段どうしてるの?
けんじくん
「今ちょうどお腹空いてるけど、いらない」
――朝ご飯は食べた?
「食べない。学校ある時は、昼は給食を食べる」
給食がない夏休み。経済的な理由で食事は1日1食か2食です。夜7時半前、今日初めての食事です。
けんじくん
「スクランブルエッグ作ってる」
――よく作ってるの?
「作ってます」
――ウインナーはいつも食べるの?
りさこさん
「たまに焼くくらい。(弟が)飽きたって言うから、できる範囲でレシピ増やせないかと思うんですけど、油ものとか危ないから出来ない」
夜7時半ごろ、母・まさみさんが帰宅しました。
まさみさん
「おなかすいてない?」
りさこさん
「すいてない」

まさみさん
「(栄養は)足りていないと思う。悪くなる一方なので、経済面が。(周りに)『困っている』なんて言えないですし」
日中、まさみさんの食事はおにぎり一つ。
――お母さんのどんな所が好き?
りさこさん
「優しいとこ。ストレスでお腹壊すことがあるから、無理しないでほしい」

――お母さんは無理しているように見える?
りさこさん
「見えます」