斎藤さんは小原さんの優しい人柄や、丁寧な聞き取りがあって初めて生々しい本音を引き出すことができたと考えています。

(斎藤彰吾さん)
「農村婦人の心の心の中に入った…すごい本だと思います。これは」
農村女性の悲しみに向き合い、記録した小原さんは2017年90歳でこの世を去りました。
(大山純子さん)
「戦争に行った人は大変だけれども、残った家族も、もっと苦労している家族がいっぱいいるんだよと」

北上市に暮らす小原さんの娘が父の思い出を語ってくれました。
農村女性の戦争体験を聞き書きする取り組みから影響を受けた小原さんは、新しい女性の生き方について自身の考えを娘の純子さんに伝えていました。
(大山純子さん)
「これからは絶対女性が一人で生きていく時代が来るんだから、何か資格を取りなさいと口癖で言ってましたね。私に」

戦後、置き去りにされていた農村女性の悲しみや苦しみに寄り添い、平和への願いを込められた聞き書き集にスポットを当てた朗読劇「石ころに語る母たち」は、8月24日、25日、盛岡市の「風のスタジオ」で行われます。