今から60年前に、岩手県北上市でまとめられた戦争体験の聞き書き集があります。戦地に送り出した息子を思う母親の気持ちや、戦争の悲惨さを訴える農村の女性の叫びを、朗読劇で伝えようと稽古が続いています。

朗読劇「石ころに語る母たち」は、息子や夫を太平洋戦争に召集された母や妻の嘆きと戦後の苦しみを、岩手県内のアナウンサーや演劇関係者が朗読で伝えようと、いま詰めの稽古が行われています。
(劇の一部分)

「川原の石ころ拾ってきては・・・」
舞台では、戦地の息子が慣れない革靴で足にまめを作らないよう、川原の石を持ち帰っては息子の足の裏に見立て洗い、語りかけていた母たちの密やかな祈りが描かれています。