(ブルームバーグ):14日の債券相場は上昇。5年国債入札結果は弱めとなったものの、おおむね市場予想の範囲内で買い戻しが優勢になっている。岸田文雄首相が自民党総裁選への不出馬を表明したことによる相場への影響は限定的となっている。
岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは5年債入札について、「予想された範囲内の弱い結果だった。利回りが0.4%台後半でないと需要がなさそうだとのイメージに収まっている感じだ」と述べた。
入札結果によると、最低落札価格は99円70銭と市場予想99円72銭を下回り、大きいと不調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は5銭と前回の1銭から拡大し、昨年3月以来の大きさ。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.51倍と、前回の4.26倍から低下した。
日本債券:5年利付国債の過去の入札結果(表)
岸田首相は14日午前、官邸で記者会見を開き、9月の自民党総裁選に立候補しないことを明らかにした。岸田首相の出馬見送りで、自民党内では「ポスト岸田」候補の動きが加速する。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大塚崇広シニア債券ストラテジストは「次の首相が誰になるかはもちろん、タカ派的になるかは分からない。衆院選のタイミングも分からず、現段階では消化難の状況だ」と述べた。
岡三証の鈴木氏は「誰が首相になっても日銀の金融正常化を進めやすくなるとの見方もあるが、今の段階では売りか買いかは決めきれない」と話した。

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