多くの女性に知ってほしい 「橋本病」公表への思い

石本沙織さん:「勇気をもって発表するぞ!という感じではなくて、インタビューの流れの中で話したんですが、自分の中で当たり前だったし…。はじめは自分で病気だと気づいてなくて2人目を産んだ後しばらくして人間ドック受けたとき、医師から甲状腺が腫れてるので、精密検査を受けた方がいいと言われて、検査したら橋本病だというのがわかったんです。この病気は不妊にも繋がるといわれていて、ぜひ多くの女性にも知ってほしいという思いがあったんです」

橋本病は、心臓や肝臓、腎臓、脳などの代謝を盛んにするなどの働きをする甲状腺ホルモンが少なくなる病気です。甲状腺の細胞を攻撃する自己抗体が、甲状腺に慢性的な炎症を引き起こし、甲状腺ホルモンの分泌が低下。1~2割の人は、甲状腺機能低下症になって治療が必要になります。

石本さんが、最初に異変を感じたのは30歳を過ぎたころだったといいます。どんな症状が出たのでしょうか。

石本沙織さん:「難しいんですこれなんかね、だや~くなる感じ。富山弁でいうと、だや~い。なんかね具体的な例で言うとすぐ机に突っ伏したくなるって感じ。体をこの姿勢をもうキープするのがもうだるくなってきて、もうちょっと頑張ったら、ちょっと恥ずかしいけど、ちょっとごめんなさいってこうやって1分ぐらい経ったらまた直ってみたいな」

橋本病は、体がすごくだるくなり、調子が悪くなる。心臓の脈が遅くなる、腸が動かなくなって便秘になる、または、体がむくんだりするというのが主な症状だといいます。特に30~40代の女性に発症することが多く、成人女性の10人に1人にみられるといいます。ただ、症状が悪化すると命の危険もあるといいます。

高田内科・糖尿病クリニック 高田裕之 医師:「ひどい人だと鬱みたいな状態になってしまう人もいますし、もっと通り越えてしまうと、粘液水腫という非常に怖い病名に、本当に甲状腺ホルモン足りなくなると、意識を失って命に関わるような状態になるということもあります」

橋本病は、細菌やウィルスなどから体を守るための免疫が、自分の臓器・細胞を標的にしてしまうことで起きる自己免疫疾患の一つですが、なぜ免疫の異常が生じるかはわかっていません。完治することがなく、一生涯付き合っていく病気ですが、薬を内服し甲状腺ホルモンを正常に保つことで普段通りの生活を送れるようになるといいます。