24日岸田総理は、新型コロナの感染者の全数把握について、病院や保健所業務のひっ迫を緩和するため、その把握方法を見直すことを明らかにしました。
(岸田総理会見)
「緊急避難措置として、自治体の判断で患者届け出の範囲を、高齢者、入院を要する者、重症リスクがあり治療薬投与等が必要な方などに限定することを可能にします」
24日夜、診察時間が終わった三重県津市の小児科、岩尾子どもクリニックに伺いました。
(岩尾子どもクリニック 岩尾篤院長)
「24日だけで(入力システムに)4回ログインした。午前と午後で(陽性判明が)11件です」

医療機関には政府の情報把握システム=ハーシスを通じた、発生届の提出が義務付けられています。
患者の名前、生年月日、住所、ワクチンの接種回数や、予想される感染経路も細かく入力します。
(岩尾子どもクリニック 岩尾篤院長)
「ワクチン接種歴…、例えば3回目をことしの6月1日に打ったというように」
診療の合間にも入力しているという院長。1人分のデータ入力にかかった時間を計測してみると、2分20秒。20人分だと小一時間かかることになります。
今回の全数把握の方法の見直しについて、院長は確かにハーシスへの入力は負担だが、懸念もあると口にします。
(岩尾子どもクリニック 岩尾篤院長)
「ここに書かれている、ハイリスクの人だけでいいのか。子どもとかの場合に、何か持病があるかはここに書かれていない。症状をどう捉えるかで、なかなか重症者として選択するのは難しい」
三重県は全数把握の見直しについては「医療の現場に混乱が生じないよう関係機関と十分な調整をする必要がある」と慎重な姿勢を示しています。