日銀は政策金利を0.25%程度引き上げることを決定。本格的に「金利のある世界」に入ることになる。
日銀 利上げ0.25%に 経済への影響は!?

日本銀行 植田和男総裁:
これまでの0~0.1%程度から、0.25%程度へと変更しました。
3月にマイナス金利を解除してからわずか4か月で追加利上げを決めた理由を会見で問われた植田総裁は…
日本銀行 植田和男総裁:
4月以降のデータがある程度まとまって、評価できる事態に達したということかなと。焦って上げなくてもいいのではないかという質問だと思うが、それに対して少しずつでも早めに調整しておいた方が後で楽になるという話と、(円安により物価が)2%から更に上にいってしまうリスクもあるということも考えると、この辺でということかなと思った次第。
歴史的な円安による物価高については…
日本銀行 植田和男総裁:
消費者物価総合ないし除く生鮮が2%を超えている期間も既に2年を大幅に超えている。やや長期化している高いインフレ率が人々に大きな負担を強いていることは申し訳なく思っている。
政策決定会合では、景気への悪影響を懸念し、9人中、2人の委員が利上げに反対した。追加利上げについて企業からは様々な声があがっている。
パナソニックホールディングス 梅田博和副社長兼CFO:
円の調達コストは上がってくるかと思うが、金利のある世界にしっかりと対応していくことが企業として求められていると思う。
KDDI 髙橋誠社長:
金融事業が大きくなってきているので、そこに対する影響はあると思う。事業としては我々とするとポジティブなサイドに動くのではないか。
日銀に利上げを促すような発言をしていた岸田総理は…

岸田文雄首相:
金融政策の正常化が経済ステージの移行を後押しし、経済ステージの移行が金融政策の更なる中立化を促す。新しい成長型経済ステージへの移行は兆しが明確になっている。
利上げを受け、3メガバンクは現在0.02%の普通預金の金利を、5倍にあたる0.1%に引き上げると発表。さらに、住宅ローンの変動金利を決める指標となっている短期プライムレートを9月から約17年ぶりに引き上げると発表するなど、金利のある世界への回帰が進んでいる。

資産形成や住宅ローンなど、様々なお金に関する悩みをファイナンシャルプランナーに無料で相談できるサービスを行っている会社では、早速利上げが家計に及ぼす影響への問い合わせが入っているという。
MONEY DOCTOR FPコンサルティング室長 岡田将信さん:
昨日、住宅購入予定の方が利上げのニュースを見て、変動金利が上がるのかなという心配をして相談にやってきた。様々なシーンを想定しながら、その時のリスクに応じて対策を講じて提案をしている。

一方、植田総裁の会見は、為替相場にも大きく影響した。
日本銀行 植田和男総裁:
経済・物価の情勢が私どもの見通しに沿って動けば、引き続き金利を上げていく考えでいる。その際に0.5%は壁として意識しているかという質問だったと思うが、そこは特に意識していない。
植田総裁が会見で更なる利上げを否定しなかったことで、日米金利差の縮小を見込んだ円買いドル売りが進み、1日で大きく円高が進んだ。財界からは…

経済同友会 新浪剛史代表幹事:
148、9円になったのは円高というのはまだちょっと遠いかなと思う。まさにここで重要なのは消費が戻ってくるかどうか。