大手ゼネコンが、仙台市内に建設したマンションで耐震施工不良が相次いで見つかっています。「構造スリット」と呼ばれるものが、計画通り施工されていなかったことが問題視されていますが、このスリットとはいったい何なのか、そしてどんな働きをするものなのでしょうか。

施工計画の約1割しか入っていなかった

問題が見つかったのは、清水建設が造った仙台市内のマンション1棟です。
マンションには通常地震の揺れから柱などを守るための「構造スリット」が設置されます。しかし、清水建設などが6月にこのマンションで行った調査では、抽出した85か所のうち74か所でスリットが設置されず施工計画の1割程度しか入っていなかったことがわかったということです。

マンションは20年以上前に建設されたもので、清水建設東北支店は「原因については分からない」としつつ、建物全体の調査や修繕工事の準備を進めているということです。

構造スリットの施工を巡っては、前田建設工業が手がけたマンションでも「図面と合っていない」との指摘が住民側からあり、市が前田建設工業に報告を求めています。

では、今回、問題となった「構造スリット」とはどのようなものなのか。