日本大学 教育行政学 末冨芳 教授
「とにかく子どもの貧困の改善・解消には財源が必要で、現金給付も足りてない、貧困状態の親子をサポートするような行政の職員も全く足りてない。今の行政は『民間の共助の仕組み』に依存しすぎています。
貧困の連鎖を産んで、子ども・若者が貧困から抜け出せない絶望のまま、ずっと大人としても生きていかなければいけない」
貧困の連鎖を解消するには―?
この状況を少しでも変えようとする若者たちがいました。
家庭の経済状況から、塾に通えない中高生らを対象に、3年前、無料の塾を開いた大学生の吉沢春陽さん(23)。
中央大学4年 吉沢春陽さん
「家庭の環境で、いろいろ左右されて欲しくないとすごく思っていて、この無料塾の意義としては、まず『教育格差』をなくすことで、見える世界が変わるというか、選べる選択肢が変わってくると私は感じてます」
吉沢さんの呼びかけに大学の垣根を越えて集まったボランティア講師の数は現在、56人。子どもたち30人ほどが学んでいます。
経済的な理由などから、大学受験を諦めかけていたという受講生も…
無料塾の受講生(高3)
「塾に入ってから、どんどん夢が開いて、学校の先生になりたいなという気持ちが出てきました」
無料塾の受講生(高1)
「先生たちが私を助けてくれたように、私も人を助けたいなと考え始めて。看護師とか人を助けるような仕事に就きたい」
子どもたちの“格差”を埋める社会全体としての取り組みが、改めて求められています。
(「サンデーモーニング」2024年8月4日放送より)