熱中症で“意識不明”になった元甲子園球児に聞く「猛暑とスポーツ」

藤森祥平キャスター:
近田怜王さん(34)は、2007年の高校2年生の時に兵庫県代表(報徳学園)として、夏の甲子園大会に出場。初戦のマウンドに上がりましたが、熱中症でけいれんを起こし降板。大会後の練習中に倒れ、一時、意識不明になった経験をお持ちです。お話によると、県大会の終盤から風邪で体調が悪かったそうですね。

小川彩佳キャスター:
体調が悪くても練習を続けてしまったのはなぜなのでしょうか?

京都大学硬式野球部 近田怜王 監督:
エースとして投げさせてもらっていた中で、先輩のためにという思いもあり、簡単に「休ませてください」と言えなかったです。

小川キャスター:
言い出せない環境というのもあったんですね。

近田監督:
そうですね。甲子園に向けての練習があったので、エースとして不甲斐ない結果になっている時に抜けられない、チームに申し訳ないということで、簡単には休めなかったです。

藤森キャスター:
学校での熱中症による死亡事故の6割(28件中18件)が、運動部活動中の高校生。(2005年~2022年度)

やはり、子どもたちから言い出しにくいことも影響しているのでしょうか。

近田監督:
そうだと思います。

小川キャスター:
子どもたちが言い出しやすい環境を、大人たちがどのようにつくっていけるのかということになってきますね。

近田監督:
自分が練習を途中で抜けることで、他の子が一歩リードしてしまうという考えから「簡単に弱さを見せられない」という気持ちも、1つの要因としてあると考えられます。