熱中症から命を守る新たな取り組み
夏の甲子園で熱中症になった経験から、指導者として対策に取り組む人がいます。京都大学硬式野球部の近田怜王監督です。

高校2年生の夏、先発ピッチャーとして登板しますが、熱中症になり、足のけいれんで降板し、チームは敗北。数日後、体調が回復しないまま練習をしていた近田さんは、再び熱中症で倒れ、一時、意識不明になりました。

京都大学硬式野球部 近田怜王 監督
「当時はエースとして投げさせてもらっている中で、迷惑はかけられないとか、そういうのを色々考えて、(指導者に)言えないというのは現実にあった」
今は指導者として、新たな熱中症対策に取り組んでいます。
▼スライディングをしない日は、2024年からハーフパンツも可能に。▼すぐに水分補給できるように、水筒をグラウンドへ持ち込んでいます。

京都大学硬式野球部 近田怜王 監督
「思い切って勝ち負けをこえて、ひとつの命を守るという意味でも、指導者がちゃんとストップをかける勇気も必要かなと思う」
新たな熱中症対策は、8月1日に始まった「第46回全国スポーツ少年団軟式野球交流大会」でも。開会式が、初めて屋外ではなく体育館で行われました。
さらに2日からの試合で、気温、湿度、日射量による暑さ指数が基準の31を超えると、試合を中止にします。
日本スポーツ協会 菊地秀行さん
「まずは子どもたちの健康と安全を第一で実施していく」
夏の甲子園でも、2024年から暑い時間をさける取り組みを始めるなど、スポーツ界で様々な対策がとられていますが、専門家は、より抜本的な改革が必要だと言います。

早稲田大学 細川由梨 准教授
「目指すイベントが夏にある以上、そこに向け、チームの人たちは練習をしていく。夏期期間中のスケジューリングそのものをトップダウンで再検討していく必要がある」














