「いろんな人の尽力があっての大会」「リスペクトを持ちつつ"再出発"を」

小川キャスター:
影山さんは、猛暑の中でのスポーツの環境作りで何が大事だと思われますか?

カフェ店主・元外資系コンサル 影山知明さん:
私自身もサッカーをやっていますが、暑い中でも喜んでやってしまう部分があります。126年間で初めての暑さであるということに、過去の記憶が追いついていないように感じます。サッカーでの配慮として、ハーフタイムとは別に試合中に給水タイムをとることがルールになっています。

また、真夏の公式戦の開催は避ける方向になってきていて、配慮はされてきているように感じています。

藤森キャスター:
夏の甲子園でも、昼間の時間帯を避け、午前と夕方に試合を行う「2部制」を一部の日程で導入するという対策も始まっています。

影山さんは、この対策をどう受け止めますか?

影山さん:
対策はあって当然ですよね。真夏の昼間に甲子園で開催するのは、もう難しいレベルだと思います。8月の夏の甲子園に対して思い入れがある中で、時間を変えるのは1つの手だと思います。

小川キャスター:
勉強との両立を考えると、夏休み以外に長い休みを取るのは難しいし、秋に移行すると、プロ野球の日程にも影響してきます。ドームに移しても他のイベントとの調整が必要ですし、一筋縄ではいかないですね。

近田監督:
いろんな人の尽力があっての大会なので、どこまで選手のことを一番に考えた運営ができるのかというのは、なかなか難しいところもあるかもしれませんが、そこを何とか、今回の取り組みなどで変えていこうという方向に進んでいるように感じます。ただ、まだ難しいかなと思います。

小川キャスター:
現時点で、現場ではどのような対策ができるのでしょうか。

近田監督:
自分たちでは大会の日程を変えることはできないので、暑さに慣れるということもしながら、朝の涼しい時間に練習をしたり、水分補給をこまめにしたりということは意識しています。

藤森キャスター:
それぞれの現場によって考え方も対策も違うと思いますが、自分たちの代では、「夏の大会で勝つためには、日ごろから夏の暑さに慣れないといけない」というイメージがありました。今はどうなのでしょうか?

近田監督:
そのようなイメージは若干残っていますし、現場でも「暑さに慣れていきたい」という話はしています。しかしその中でも、みんなで知識をしっかり蓄えて、練習前後の栄養面などでできることを対策しようとはしていますが、やはり暑さに慣れるというところは、まだまだ出来ていない部分はあります。

影山さん:
現場の監督や選手の方は、日程が決まった中でやっていかないといけません。そのために、暑さに慣れていく練習をするということを選ばざるを得ないと思います。

トップダウンで大会の開催形式を見直していくという判断を、どこかで勇気を出してやっていかないといけない部分はあると思います。

「夏の甲子園」というリスペクトや感謝を大いに感じながら敬意をはらいつつ、ニュアンス的には「再出発」として、今の高校球児にとってどのような大会が良いのかということを真剣に考えていく時期になっていると思います。

小川キャスター:
長い目で、抜本的な対策を考えていかなければならないですね。

近田監督:
トップダウンでしっかりと考えてもらって、現場としてもその考えを理解した上で、現場でやっていることに対して対策で変えられることは、上の方にお願いすることは重要だと感じています。

藤森キャスター:
社会全体で様々なところから協力の手が伸びていかないと、良い結論は導けないと思います。