自分の国で"マイノリティ"であることに想いを馳せる

「否定派」のアフリカ系アメリカ人、ダリウス・トールマンを演じる南村浩志さんです。

ダリウスを演じる南村浩志さん

ーまったく違うキャラクターを演じるためにどのようなアプローチを?

(南村浩志さん)
「最初はどうしたらいいんだろうと本当に分からなくて不安だったんですね。でも、原作や台本を読んでみたら、登場人物の中で、一番自分はダリウスに近いんじゃないかと思ったんです」

「ダリウスはとても誠実な人物なんです。ダリウスの性格に近しいところを自分の中に見つけて、それをつなげていく作業。外見ではなく、内面を演じればいいんだと思うと、とても身近に感じることができました」

「アフリカ系アメリカ人について、いろいろ調べましたが、自分の国でマイノリティとして生きるってどういうことなんだろうというのは、日本人の自分が想像することは難しい」

「自分の国に居場所がないということは、本当に辛いと感じるし、ダリウスもそう感じる部分はあるだろうなと想像するんですが、その葛藤も演技で出したいと思っています」

ーこの舞台は、見終わったあとにも気になることを色々調べて、考えを深めたくなりますね。

(南村浩志さん)
「調べれば調べるほど、わからなくなることもある。何が正しくて何が間違っているのか」

「日本人として、原爆肯定というのはなかなか受け入れられないと思うんですけど、アンケートには『考えが揺れた』という感想も結構あるんです。肯定、否定、いろんな意見に触れて、考えを深めていただきたいなと思います」