■2人の最後の”通報”


佐藤警部と玉谷警部補が乗ったパトカーは、新庄市本合海に到達する。

※画像 26日撮影の本合海の現場

そして、午後11時43分。玉谷警部補から携帯電話で1度目の110番通報が入った。

「パトカーごと流されている」

周りの音が大きく、聞き取れたのはこの言葉だけ。

45秒ほどの通話時間は、通報を受けた通信指令課の担当者の呼びかけのほうが多いほどだったという。

そして、玉谷警部補の通報から約30分後。日をまたいだ26日の午前0時12分。

今度は佐藤警部から2度目の110番通報が入った。

「パトカーから出たが流されている」

この通報も、周囲の音が大きく、聞き取れないところが多かったという。

この会話が、最後のやりとりとなった。

1回目の通報は「パトカーごと流されている」

2回目は「パトカーから出たが流されている」

明らかにされた2度の通報の間に一体何があったのか。

わかるのは、何らかの理由でパトカーの外に出たであろうということだけ。あるいは、出ざるをえなかったのか。

県警は「2人はパトカーに乗った状態で流され、危険だと判断し外に出たと想定される」との見解を示している。