「暴力団の街」と呼ばれるほど福岡県北九州市に暗い影を落としてきた工藤会。そのトップ野村悟被告に死刑判決が下ってから、地元経済には明るい兆しがみえ、商業地の地価は5年前から上昇傾向が続いている。

一方、当の野村被告は控訴後に弁護人をすべて解任した。組員を一網打尽にした「頂上作戦」を指揮した当時の捜査幹部は、判決を先延ばしするための法廷戦術と分析する。

◆かつての「修羅の街」に企業進出約70社


記者リポート「かつては企業の撤退が相次ぎ、修羅の街とも呼ばれた北九州市。街に暗い影を落としていた暴力団の影響力は消えつつあり、経済にも明るい兆しがみえています」

386件。これは2014年以降、北九州市に新たにできた企業や商業施設の数だ(オフィス拡大や工場増設も含む)。特にIT関連企業の誘致が進み70社近くが進出した。また、小倉北区の商業地の地価は5年前から上昇傾向が続いている。