「子どもたちが安心して暮らせる世の中に」願いを込めた母のねぶた
3人目のねぶた師は、北村麻子(きたむら・あさこ)さんです。

麻子さんが制作した今年の大型ねぶたは、『あおもり市民ねぶた実行委員会』の『鬼子母神(きしぼじん)』です。完成したねぶたをご覧になった感想を伺いました。

ねぶた師 北村麻子さん
「ようやく1年のこの努力がこうして皆さんの手によって台に上がって、すごくほっとした気持ちでいます」

小野寺アナ、今年の麻子さんの作品は“これまでとは違ったような感じ”と受け止めていました。
ねぶた師 北村麻子さん
「この『鬼子母神』っていう題材なんですけれども、たくさんの子どもがいる鬼で、自分の子どもを育てるために人間の子どもをさらって食べていたんですね」

ねぶた師 北村麻子さん
「これに困っていた人々がお釈迦様に相談をして、お釈迦様が人間の子ども自分の子どもも同じように大事にしなきゃだめだぞっていうことで、それから改心して、この鬼子母神という鬼は子どもの守り神になったっていう伝説です。世界中で子どもたちが戦争だったりて犠牲になっているニュースを目にして、そういう子どもたちが安心して暮らせるような世の中になるようにという願いを込めて制作させていただきました」

~青森ねぶた祭実行委員会ホームページより~ ※一部抜粋
お釈迦様は、一計を案じ鬼子母神が最も可愛がっていた一番下の子供を隠してしまいました。鬼子母神は嘆き悲しみ、必死になって気も狂わんばかりに探し回りましたが見つからず、ついにお釈迦様の元に行き自分の子供がいなくなり見つからないことを話し助けを求めました。するとお釈迦様は鬼子母神に「500人のうちたった一人居なくなっただけで、お前はこのように嘆き悲しみ私に助けを求めているだろう。たった数人しかいない子供をお前にさらわれた人間の親の悲しみはどれほどであったであろう。その気持ちがおまえにも今わかるのではないか?」と話し、お釈迦様は命の大切さ、子供を思う気持ちは人間も鬼神も変わりないことを説き、子供を鬼子母神の元に返しました。