キツネなどの野生動物のために安全な通り道「アニマルパス」を整備


キツネが増えたことで新たな問題も起こっています。知多半島北部東浦町にある豊田自動織機周辺の一般道では、キツネが車にひかれる事故が多発。


(豊田自動織機・環境保全推進室・山肩大介室長)
「(キツネが)道路に飛び出していかないように、こちらに道を作って森の方へ抜けられるようになっている」

豊田自動織機は2018年、福田教授のアドバイスをもとにキツネが道路を横切らずに森から森に移動できるよう、工場の敷地内に約250mに渡り雑木林などを整備。


「アニマルパス」というキツネ用の道を作ったのです。アニマルパスに設置したカメラでも、多くのキツネが確認されました。

福田教授は、6月にキツネが発見された大高緑地公園にも、自動撮影カメラを設置し撮影を試みることに。

キツネは野生動物ですが人や動物が通ったような道を利用する習性があると言います。関上さんがキツネを撮影したプール近くにもフェンスの穴が。この穴の周辺を中心にカメラを4か所設置することにしました。

3週間後、カメラのデータを回収して大量の映像データを確認。猫・ネズミ、ハクビジン、タヌキが映っていました。


一瞬だけカメラに謎の影が映っていて、耳の形やヒゲの特徴からキツネの可能性があるとしつつも、決定的な姿は撮れませんでした。

名古屋市内でも着実にキツネの目撃数が増加 そっと見守り共生が必要

日を改め、大高緑地公園の閉鎖されたプールを訪れました。すると、前触れなくキツネが現れたのです。その映像を福田教授にも見てもらい、キツネだと確認できました。


なごや生物多様性センターによると、名古屋市内のキツネは元々、市北部の守山区周辺で見られただけでした。しかし2021年までに、守山区以外にも北区・名東区・千種区・天白区・緑区・中川区の7つの区で確認されています。

今後、キツネが中区などの中心部に現れる可能性もあると福田教授は話します。

(日本福祉大学・福田秀志教授)
「それは十分にある。キタキツネの例になるが、札幌市内でも散見することができる」

もし、街中でキツネを見つけても餌付けなどはせず、営みを壊さずに見守ってほしいと言うことです。

キツネが都会にも生息域を広げつつあることは自然が豊かになった証か、それとも何らかの理由で元の場所を追われたのか。いずれにしても、自然のバランスを崩さないよう共生の道を探っていく必要があります。

CBCテレビ「チャント!」8月17日放送より