先輩の助言で伝統をつなぐ
「櫂伝馬」に乗り勇壮な舞を披露するのは、出田さんが務める「剣櫂」だけではありません。
船の先頭に立つ、「采弊」もあります。
清水康博さん
「この辺ぐらいまで…広い…まっすぐなるように!」
祝島の男性
「胸を張らんにゃ!」
アドバイスをするのは、祝島で生まれ育った清水康博さん、33歳です。
2012年までの4回、この役を務めていました。
清水さんにとって最初の「采弊」を務めた2000年は、小学4年生の9歳でした。
この頃と変わらない「やっちゃん」の愛称で親しまれ続ける中、今では、「神舞」の指導や継承をする立場となりました。
人口減少や高齢化といった逆境の中ですが、ふるさとの伝統を守る強い意志を持っています。
かつて『采弊』を4回務めた清水康博さん
「神舞はやっぱりこの祝島にとっては、すごく特別なお祭りですし。僕もそうでしたけど、『剣櫂』や『采弊』は小さい時から憧れの役割なので、多分、彼(出田涼也さん)も小さい時から見てて、今、すごくうれしいと思います。楽しみながらやっていると思います」
出田涼也さん
「神舞はこれからも続けていかないといけないと思いますし、次は、『剣櫂』をやる子に教えれらるように、ことしの神舞に向けてどんどん仕上げていけたらいいかなと思います」
木村会長
「続けるかたちで支えてくれる若い人がいるっていうのは、心強いですね。これからもずっと続けられるかたちを、作っていきたいと思います」
8年ぶりの「神舞」へ。
若手の強い思いが後押しとなり、小さな島に残る伝統は守り継がれます。