パリオリンピック™がまもなく開幕します。「ウクライナの勝利を世界に示したい」。戦渦を乗り越え出場するウクライナ代表選手の思いを取材しました。
ウクライナの首都キーウの練習場。ハンマー投げ、ウクライナ代表のイリーナ・クライメッツ選手。26日に開幕するパリオリンピックに出場します。
ウクライナ オリンピック委員会 バディム・フトツァイト会長
「毎日のように警報が鳴るという環境の中で、練習するということはほとんど不可能なことでした」
ロシアによる軍事侵攻が続き、戦火にさらされるなか迎えるオリンピック。選手たちは過酷な環境下での練習を余儀なくされてきました。
こうした状況下で、拠点を国外に移す選手もいた一方、イリーナさんはウクライナに留まって練習を継続。およそ2年半の間、警報が鳴るたびに練習を中断して避難しました。
ハンマー投 ウクライナ代表 イリーナ・クライメッツ選手
「トレーニングの大半を過ごすこの場所では爆発音が頻繁に聞こえ、ミサイル攻撃も目にすることがあります」
ロシア軍の攻撃はウクライナ各地の運動施設を破壊し、被害にあった数はおよそ520か所。さらに軍事侵攻開始以降、3000人を超える選手やコーチが従軍し、470人以上が死亡しました。
ハンマー投 ウクライナ代表 イリーナ・クライメッツ選手
「多くのトレーナーとアスリートたちが殺されました。自分自身のためだけでなく、国を代表することができなくなった選手たちのためにも、オリンピックでベストを尽くさなければならないという力に変えています」
攻撃による恐怖で極度のストレスを感じながらの日々を過ごしてきたイリーナさんにとって、支えとなっているのは前線で戦う親族がかけてくれた言葉です。
ハンマー投 ウクライナ代表 イリーナ・クライメッツ選手
「私たちはあなたたちのために戦っていると言われたんです。みんなにそれぞれの戦線があるように、私たちはウクライナの栄光のためにスポーツの戦線で戦うと約束しました」
3度目となるイリーナさんのオリンピックへの挑戦。今回の大会は「最も困難であると同時に、最も大切で最も価値のあるもの」だと話します。
ハンマー投 ウクライナ代表 イリーナ・クライメッツ選手
「ウクライナは生きていて、ウクライナは確かに存在している。ウクライナの勝利を世界に示したいです」
「戦禍の祖国に希望を与えたい」。青と黄色の国旗を背負い、イリーナさんの特別なオリンピックが始まります。
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