取りつかれたように “虫” にこだわる…

3歳の時に「自閉症」と診断された安吉さん。「多動」や「衝動性」の傾向が強く、じっとしていられない子どもでした。

みんなはできるのになぜ自分はできないのか…。成長とともに周りとの違いに気づき、強い劣等感に苦しんできました。

安吉将吾さん「作品は好きだから作ってるのもあり、やっぱ自分自身があきらめたくないのもあって。なんか自分自身の弱みから逃げたくない」

安吉さんを襲った元日の能登半島地震。

母 佐知恵さん「家の下から液状化がなってんだね。液状化だよね、たぶん…」

家は液状化で最大8センチ傾いたことがわかりました。地震がまた襲ってくるかもしれないー。不安と恐怖から、地震後、安吉さんは作品を作ることができなくなっていましたが。

安吉将吾さん「作れなくて、心の中ですごくストレス溜まってたというか、もう作らなきゃやってられんみたいな。もう地震が来ようとも作る、みたいな、感じで」

作りたいという思いがつのり、地震後およそ1か月で創作を再開。

この日作っていたのは、ショウリョウバッタです。画像を見ながら数ミリ程度の画用紙を切っては貼り、切っては貼りをくり返し、バッタの胴体を細部までリアルに再現していきます。

地震後はとりつかれたように虫だけを作っているそうです。