母親は泣いていた

去年8月、父親に松浦さんを紹介した。父親の反応は意外なものだった。
初めて会う松浦さんの手を、2回強く握って言った。
「息子になってくれてありがとう」

母親は泣いていた。
「つらかったやろ。もっと早く言ったらよかったのに」

弟は「結婚式、行きたかった」と言ってくれた。

藤山さんの家族は、息子の心と生き方、そしてパートナーの松浦さんのことも受け入れてくれた。

「素敵なおうちの一員になれた」
これまで味わったことのなかった安らぎと喜びを感じたという松浦さん。
そして2人は尼崎市を離れ、藤山さんの地元・長崎県への移住を決意した。【3回目へ】