注目の日米金融政策 FRB 9月利下げ観測高まる
7月30日、31日に日本もアメリカも金融政策決定会合が同日に開かれる。そこで金融政策の変更がどのようになるか話を聞いていく。

まず一番注目されたのが、9日のFRBのパウエル議長の議会証言。「もはやアメリカ経済は過熱していない」「利下げが遅すぎれば経済活動に打撃を与えかねない」「直近の指標は緩やかな進展を示している」といった発言だった。
――行間を読むと9月末の利下げは確実だと市場は受け取ったようだ。

慶應義塾大学 総合政策学部教授 白井さゆり氏:
消費の伸びが明らかに減速してきている。前は消費が強すぎたが、全体としてそろそろ利下げのデータが増えてきている。
――市場では9月利下げだと、年内3回だとはやし立てている。今後も利下げしていくのか。
慶應義塾大学 総合政策学部教授 白井さゆり氏:
11月の大統領選でトランプ氏が選ばれると利下げ圧力が、すごく高まる可能性もあるのでそこを読まないといけないが、あまり利下げしすぎても、経済がまた良くなっていき過熱的になっていくので、非常にバランスをとると思う。11月がすごく大事だ。

――消費者物価指数のグラフを見ると、まだ完全に安心できる状況ではない。
慶應義塾大学 総合政策学部教授 白井さゆり氏:
粘着性がある項目だけを見るとまだインフレの懸念は残る。それから労働市場が軟化してきているとはいえ、まだ歴史的に見て強すぎる。かなりタイトだから、賃金上昇率も高いので安心して利下げできる状況ではないと思う。
――データを見ながらゆっくりと利下げしていくということか。その一方で、最近は消費の統計も少し悪い数字が出てきたりすると景気後退懸念が強まるという人もいるが、このリスクは?
慶應義塾大学 総合政策学部教授 白井さゆり氏:
かなり低いと思う。アメリカはミックスでまだ強いデータもあるので、減速はすると思うが、割と正常化に向かっているという感じ。大きく景気が後退することは考えにくい。