「もはや加熱していない」アメリカ 9月利下げ観測高まる

アメリカの利下げ観測の高まりには、FRBパウエル議長の発言が大きく影響した。
FRB パウエル議長:
直近の指標は雇用情勢が2年前と比べて、かなり減速しているという明確なシグナルを送っている。もはや加熱した経済ではない。緩和が遅すぎたり、小さすぎたりすれば経済活動に打撃を与える可能性がある。
アメリカのFRB・連邦準備制度理事会のパウエル議長は、利下げの時期こそ明言しなかったものの、市場では9月にも利下げが始まるとの観測が広がった。
さらに、11日に発表されたアメリカの消費者物価指数がインフレの減速を裏付けたとして、9月利下げは確定路線と受け止められた。

この消費者物価指数の発表直後、円相場は一時1ドル157円台と4円も円高に振れた。12日、日銀が公表した統計から3兆円規模の為替介入があった可能性が推測されている。
2日連続で為替介入か 157円台に 今後の円相場は!?

バルタリサーチ 為替ストラテジスト 花生浩介氏:
CPI(消費者物価指数)の発表直後というアメリカ市場の一大イベント。そんな時にそこのマーケットをかき乱すようなことをするというのが、ある意味意外だったが逆に言えば、財務省のそれなりに強い姿勢は確認できた。アメリカ当局との間にある種の握り(約束)はできていると思った。ちゃんと金融正常化ということに対して、道筋を示すことをしない限り、やはり介入だけでは、時間稼ぎに過ぎない。

その後、ドル円相場は再び159円台まで戻したが、12日夜にも急速に円高に振れる場面があり、市場では2日連続で、政府日銀による為替介入があったという見方が出ている。
これについて13日未明、財務省の神田財務官は…
財務省 神田眞人財務官:
(介入について)私から申し上げることはないが、(円相場について)ずっと一方向で圧倒的に変動があったことを無視して語れない状況。
7月末に開催される日銀の金融政策決定会合では、長期国債の買い入れ額の減額について具体的な計画を決定する予定だ。円安物価高の中、日銀は難しい舵取りを迫られている。