2年前まで1枚100円…お客さんに心配されて150円に値上げ

 店をオープンしたのは1980年、裕子さんが33歳のときでした。もともと3歳の頃から両親と住んでいた実家で、立地の良さから「店として貸してほしい」という引き合いが多く、「それなら自分で」と一念発起。飲食未経験からスタートしました。
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 (裕子さん)「これは私が小さいときに『べた焼き』言うて食べたものなんや。(材料は)メリケン粉・粉がつお・キャベツ・ネギ・天かす・しょうが・ぶた肉。大(450円)は卵入るから。私、駄菓子屋さんによう食べに行っていたし。好きやったし、それでしたんえ。庶民的なもんで」

 「誰でも気軽に食べてほしい」と2年前までは小が1枚100円でしたが、お客さんに心配され、しぶしぶ値上げ。

 (裕子さん)「いつもようけ買いに来るお客さんから『もうええ加減にしたら?』って。『もうええ加減に(値段)上げて。それより、この店辞めるって言われた方がかなわんし』って」

 でも裕子さん、お店は絶対に辞めない覚悟です。
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 (裕子さん)「(Qのれんの題字は誰かが書いた?)これ、誰やったやろ…これ主人かな?原本が」

 だってこの店名は、5年前に亡くなった夫が残してくれたものだから。

 (裕子さん)「(夫とは)49年くらい一緒やったな。みんなこのネーミング、ええって言ってくれはる人多いよ。『ひ』が。なんかようわからへんけど、そやさかい、よかったなと思って」