6月誕生した『日高山脈襟裳十勝国立公園』―。原生の自然が、そのまま残っていることが特徴です。

“日本百名山”のなかでも最難関といわれる『幌尻岳(ぽろしりだけ)』を通して、その魅力と課題を考えます。【画像で見る】

 南北140キロに及ぶ日高山脈。その最高峰、標高2052メートルの幌尻岳(ぽろしりだけ)は、日本百名山のなかでも最難関と言われています。

今回、取材登山に同行してくれたのは、北海道の自然を撮り続け、日高の山にも詳しい、写真家の伊藤健次さんです。

 写真家・伊藤健次さん
「幌尻岳は、日高山脈の中でも、最高峰の山ですけれど、特に入山口から奥深いところにあるんですね。さらに“額平コース”というのは、沢沿いに、沢を渡りながら行くところが特徴です」

およそ8キロの林道を歩いたあと、沢沿いを登る“額平川コース”は、体力、技術とも上級者向け。携帯電話の電波は通じません。

 冷たく、流れも速い沢を十数回も渡ります。

重さ20kg近くにもなるザック、背負ったまま転んだら、危険です。滑りにくい、底がフェルト地の"沢登り専用の靴"が必要です。

2017年、ここで増水した川を渡ろうとした3人が死亡しました。