■子どものコロナの症状が変わった「高熱」「けいれい」が増加

上村キャスター:
続いて、若い世代の症状に関してのデータを見ていきます。

国立成育医療研究センターなどの研究なのですが、感染して入院した18歳未満の約850人をデルタ株流行期(2021年8月〜12月)とオミクロン株の流行期(2022年1月〜3月)に分けてそれぞれの症状を分析したものです。

まず、年齢に関して見てみると、
年齢の中央値が▼デルタ株流行期 8歳 ▼オミクロン株の流行期 6歳
オミクロン株の流行期の方が若年化している傾向が見られたということです。

そして2歳から12歳の症状に違いも見られました。
38度以上の発熱▼デルタ株流行期 19.6% ▼オミクロン株の流行期 39.3%
けいれん▼デルタ株流行期 2.2% ▼オミクロン株の流行期 9.8%
それぞれ、オミクロン株の流行期の方が増えています。

一方で、オミクロン株の流行期の味覚障害(6歳~17歳)に関しては、
デルタ株流行期の7分の1と症状によって違いがあることがわかりました。

ホランキャスター:
様々なデータをご紹介しましたけれども、特にこういったところをご注意くださいという症状や兆候などあれば教えてください。

佐藤医師:
やはり重症化という定義自体が、小児ではなかなか当てはまらないなというふうに思っています。今の重症化の基準というのは、肺炎があるか、酸素濃度が下がるかということなんですが、子どもでそれが起こるというのは実はあまりないんです。
それよりも、けいれんや脳症だったり神経的な症状が多くて重症化してしまう。中には死亡してしまった子どもの例も報告されてます。なので、その辺をワクチンが防いでくれると。このデータの中でも、入院した中でワクチンを既に打たれていた子では死亡例はまだ見られてない。全ての例が軽症だったというデータもありますので、さらなるデータの積み重ねが待たれるところです。