流された時のための“イカ泳ぎ”とは? ライフジャケットも活用を

良原キャスター:
どのようなことに気をつけて遊べばいいのでしょうか。注意すべきポイントとしては、先ほど松田さんもお話をしていましたが、▼子どもだけで川に行かせないでください。さらに、▼上流・現地の天気や、過去にその川で事故があったか、なかったかなどを事前に確認してください

そして、▼ライフジャケットは必ず着用するようにしてください。川に近付く場合でも着用したほうがよく、子どもと川に入る場合は、大人が下流に立つほうがよいということです。

また、▼サンダルが流されてしまった場合、これを追いかけて事故に遭ってしまうこともあるそうですので、追わないことが大事だということです。

ただ、万が一流されてしまった場合、私たちはどうすればいいのでしょうか。風・波・流れがある時は浮力が確保できず、「浮いて待つ」は通用しないそうです。

そこで、遠山理事長は「イカ泳ぎ」をしてほしいといいます。流れに逆らわず、足を下流に向け、仰向けで両手足をゆっくり動かして浮くという方法です。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
イカ泳ぎは決して難しくはないですが、体を浮かせられることが大前提になってきます。体が浮いた状態で、手と足をリラックスして下の方に押すことで、ゆっくり浮いている状態を保つことができます。

ホランキャスター:
川の流れが速いと、そもそも浮くことが難しいですよね?

元競泳日本代表 松田丈志さん:
「同じ川でも、秒速0.2~3メートルなど大きく変化している」というお話がありましたが、わかりやすくいうと、オリンピックの金メダリストが100メートルを全力で泳いだときの秒速がだいたい2メートルです。

その流れの速さになると、どんなに泳ぎが上手い人でも抗えないので、やはりライフジャケットをつけていることがベストです。ライフジャケットは体を保温してくれますし、何かにぶつかったときの衝撃からも守ってくれます。

ぜひ川に行くときはライフジャケットをつけ、流されたと思ったときはリラックスしてイカ泳ぎをし、浮いている状態を保つことができれば、助けが来るまでの時間を稼げると思います。

井上貴博キャスター:
周りに大人がいるときなどに遊びでもいいからライフジャケットを着て、どういう感じになるのか試しておくと、だいぶ精神的に楽ですよね。

ホランキャスター:
お風呂などで試してみるのもいいでしょうか?

元競泳日本代表 松田丈志さん:
できればプールぐらいの水量があるところで試したほうが、浮力の感じや温かさがわかります。

また、ライフジャケットには笛がついているので助けを呼ぶこともできますし、反射板もついているので海でも目立ちます。ぜひ、身を守るために活用してほしいと思います。

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<プロフィール>
松田丈志さん
元競泳日本代表 五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父