■自宅療養死亡者数ゼロ “チーム八王子”が出来た理由

高齢者に感染がシフトしている中、命を守るために独自の取り組みを行っているのが八王子市。

▼第5波、第6波における自宅療養死亡者数がゼロ
▼市内の診療所・クリニックの8割が発熱外来を開設


という実績をあげています。

取り組みを始めたきっかけは第5波。八王子医師会の鳥羽正浩氏は、「感染者・自宅療養者が増えていく中で、重症患者と病院の機能を守らなければいけないと感じた」と話しています。

八王子市は東京都の市区町村面積で2番目に大きい自治体で、人口約56万人(7月末時点)。山間部や繁華街、住宅街にわかれていて、地域差がある中で平等に医療を提供しなければならないという特徴があります。

病床数を見てみると、重症者にも対応する病床が8床、市内に1つの病院しかありません。そして、中等症以下の病床が約230床ということで、人口に対して多いという数字ではありません。

■情報収集と独自の「10daysルール」で命を守る

はたして、どんな取り組みを行っているのでしょうか?

まずは、情報収集の徹底。「地域医療体制支援拠点」を設置し、全ての感染者の情報をまとめています。そして、その情報を共有。役所・保健所・医師会・病院がほぼ毎日オンラインで会議を行っています。

ここで病床管理と入院調整を行うことで、入院すべき人を迅速に入院させる体制が整い、第5波第6波における「自宅療養死亡者ゼロ」という実績を出しているんです。

さらに注目すべきは八王子独自の「10daysルール」。重症者や中等症以下の病床を常に開けておくために、発症から10日かつ治療が終了している人に関しては、アフターコロナ病床に転院させるというものです。アフターコロナ病床は、コロナ対応ができない病院が病床のみを提供しています。この病床を使うことで、手厚い治療が必要な病床を空けておくという取り組みです。

伊藤院長:
これは素晴らしいと思います。こういう馬力のある、号令というか指令を、誰が出してくれているのか。これをどんどん広げて、東京都や日本全体に広げていくことが本当に急務だと思います。