■クリニックの不安を解消 “発熱外来”開設を8割に

八王子市は、診療所・クリニックの8割が発熱外来を開設しています。全国で見ると、発熱外来を行う医療機関の割合は35%程度。比べると圧倒的に多いのが伺えます。約170か所のうち、145か所が診察を行っています。

しかし、当初からこの割合だったわけではありません。2020年9月の調査では、「発熱外来を行う」と回答した診療所・クリニックは約4割。3割ほどは、「やりたいけど、自分の医療機関では不安」という声がありました。こういったクリニックを取り込むために、八王子市は動きました。

まず、Webセミナーを7回にわたって開催。
▼新型コロナの基本的な考え方
▼院内での感染対策

などを専門医が指導しました。

さらに医師会が直接説明を行い、防護服などの備品を市から提供、そして診察を完全予約制にしたことで、2020年には8割の診療所・クリニックが協力するという結果になりました。

コメンテーター 伊藤聡子:
できないという前提で入るんじゃなくて、どうやったらできるのかといろいろ工夫をしている。防護服が配られるだけでも全然違うことですから。やろうと思えばできるんだということですね。

伊藤院長:
我々も本当にビルの一室で、何もないところから始めました。規模はもちろん小さいですけど、やり方は必ずあります。今ですと、オンラインも併用できます。自分で検査している人や、若くて症状の軽い方もたくさんいますので。

■“医師の負担を減らす” 八王子市の新たな取り組み

八王子市が第7波で新たに始めたのが、8月9日から開設された「八王子市コロナ登録センター」です。これは、自主検査(抗原検査など)を自宅でした場合、そこで陽性が判明した人などがオンラインで報告ができるというものです。

8月3日に東京都が「陽性者登録センター」を開設していますが、20代~40代が対象。八王子市はさらにそれを拡大し、都のものと併用して20代から64歳までを対応可能にしました。

しかし、八王子医師会の鳥羽正浩氏は、「対策を重ねても第7波は厳しい状況。5類相当への引き下げを検討してほしい」と話しています。

伊藤院長:
1日2時間、3時間のHER-SYS(新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理システム)の入力を、医師が本来やるべき仕事を押しのけて先にやるという事態は、ぜひ改善して欲しいです。まったく全数把握ができていない、一部の我々が把握したものだけを報告してるという状況なわけですから、患者さんが自分で入力するというシステムはいいんじゃないかと思っています。

恵俊彰:
そうですよね。軽症の方はどんどんそういうふうに移行していくべきだと思います。早めに動けるところは動いていただければと思います。

(ひるおび 2022年8月17日放送より)