急に熱中症になったり、運動中に頭を打ったりしたら、みなさんは冷静に対処できるでしょうか。もしもの時の応急処置が一目でわかるマニュアルを大分市の男性が自分の経験もふまえて作成し、広める活動に取り組んでいます。

炎天下のなか、ボールを追いかける子どもたち。この日、大分市のサッカースクールで練習の合間にある講習が行われました。

講師を務めた田北弘道さん(26)は、熱中症や頭を打った場合などの対処法が一目でわかるマニュアルを医師の監修のもと作成し、県内のスポーツチームなどへ届ける活動に取り組んでいます。

田北さんがてがけたマニュアル

(田北弘道さん)「これやっておけばよかった、あれやっておけばよかったというところで失われてしまった命や、後遺症が残ったりというのは数えきれない程ありますので」

実は田北さんは、大分市で整骨院を経営する傍ら、プロレス団体に所属する現役レスラーでもあります。数多くのけがを見てきた経験から、応急手当の大切さを多くの人に知ってもらおうと、今年4月から始めたマニュアルの配布や、講習はすべてボランティアで行っています。

(サッカースクール生)「お友達が危ないときに自分が助けられる手段がわかってよかった」「友達が熱中症になったら、涼しい場所に一緒に行ったり、お水とか冷たいものがあったら脇にあてたりする」

(レティーロサッカースクール大分・藤川英祐代表)「いち早く子どもが気づけるようになってほしいと思うので、今回すごくいい機会になった」

田北さんは、今、県内の中学校や屋外で作業をする企業や、農家などにもこの取り組みを広げています。

(田北弘道さん)「身近な人を自分の知識で守ってあげるんだ、助けてあげるんだという気持ちがあれば、もっと救われる命が増えると思う」