3年前、コザ高校で空手部の主将を務めていた男子生徒が自ら命を絶った問題について調査を続けてきた第三者委員会は、今年3月、男子生徒の自殺の原因を「前日にあった顧問からの理不尽かつ強烈な叱責が大きな要因」だと結論づける調査報告書を県に提出した。


第三者委員会 古堅豊 委員長(弁護士)
「顧問と部員という主従関係を超えて、「支配的要素」。そういう関係が出来上がっていた中で、(自死の前日)1月28日の言動が彼にとって、自死に向かう大きな原因になったんだと考えています」

第三者委員会は、直接的な原因ではないものの、当該校であるコザ高校の対応にも問題があったと指摘。

第三者委員会 上間陽子 副委員長(琉大教育学研究科教授)
「この自死事案が起こる前年度に、(元顧問の)他の生徒に対する不適切な指導という問題がある。管理職がそれを掴んでいます。掴んでいるにも関わらず、当該の“被害を受けた生徒たちへの聞き取りはなされていない”んですね。それは生徒たちにとってみれば、どうしてそういう風になったのかとか、どう思っているのか、聞かれていくような学校文化があって、それが当たり前になっていたら、こういうことはなかったと思います」

再発防止にむけた取り組みが求められるコザ高校。
4月に校長に着任した大嶺さんはまず、その取り組みについて、遺族のもとへ説明に赴いた。そこで感じたのは…

コザ高校 大嶺哲司校長
「写真とか賞状とか、その当時の空手マットが家にあって、本当に3年前から時間が止まっているのではないかと思うぐらい、息がグッと止まったような思いがありました」

なぜ男子生徒は、命を絶つほど、追い込まれたのか…第三者委員会の調査報告書は、生徒が死を選択するまでの、当時の顧問とのやり取りなどが具体的に記されている。

4月下旬、校内の教員ら約80人でこの報告書の読み合わせをしたというコザ高校。