甘~い人参「紅天神」!変形しやすいから考え出した商品は…
諫早市天神町で20年以上、人参の栽培を手がけている滝商店です。
2018年から通常の人参より、糖度が2度以上高く赤い色素が豊富な品種「紅天神」を育てていますが、栽培が難しいと言います。

滝商店 滝遥貴さん:
「普通の人参に比べると少し芽が出づらい、そして変形しやすいので2~3割が規格外になってしまいます。形が曲がったりだとか、股が出来たりだとか」

大量の規格外の「紅天神」を有効に活用できないか?滝さんは5年前からジュースに加工した販売に挑戦しています。砂糖不使用で「紅天神」そのものの味を楽しめるジュースはネット販売されていて、年間3千本以上売り上げています。
滝商店 滝遥貴さん:
「ジュースを飲んで美味しいなと思うことから『紅天神』そもそもの野菜に興味を持ってもらえたら嬉しいな思います。」
【住】こちらがドライフルーツと、紅天神ジュースですね。
では、ジュースをいただきます。…甘い!

【平】農産物だけでなく、水産物の規格外の活用も進んでいます。
佐世保市魚市場では、2年前から規格外の魚を下処理した上で冷凍し、関東・関西の会社を通じて全国の消費者に届けています。

2006年にオープンした佐世保市の「もったいない食堂」では、魚市場から規格外の魚が入荷した際には定食として提供しています。

【住】売れ残りや食べ残しといった面の食品ロスについては、何か対策はあるのでしょうか。
【平】県民1人当たりの食品ロス発生量は、1日108gです。

これはコンビニのおにぎり1個分や、プリン1個分の重さに相当します。
日本では2019年10月に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行され、県でも3年前に「長崎県食品ロス削減推進計画」を策定し、5か年計画で、食品ロスの削減をめざしています。

県県民生活環境部資源循環推進課 廣瀬菜緒主事:
「令和7年度までに県民1人1日あたりの食品ロスの発生量を98グラムにすることを目標としてます。買い物に行ったときに買いすぎない、料理を作りすぎない、何より食べ残さない。簡単なところから生活の中で少し気を付けてもらえれば変わってくる思います。意識してもらえるよう県としても取り組んでいきたい。」

【住】私たちが普段の生活で取り組めることはあるのでしょうか。
【平】はい。(1)買い物するときは「必要な分だけ買う」、手前に陳列されている商品を買う(2)外食するときは、食べきれる量の注文を心がける(3)料理するときは、葉や茎・皮など捨てていた部分を使ってみる(4)フードドライブ活動に参加するなどできることはたくさんあると思います。
また県では「30(さんまる)・10(いちまる)運動」を推進しています。これは、宴会の乾杯後の30分と終了前の10分は自分の席で食事を楽しみましょうということです。
【住】私たちが簡単にすぐに取り組めることはまだまだありそうですね。
【平】農林水産省によりますと、2021年度の食品廃棄物は2,402万トンで、このうち食品ロスは523万トン発生しています。

これには食べ残しなど「家庭から排出されたもの」と、売れ残りや作りすぎなど「食品関連事業者から排出されたもの」があります。
食品ロスの削減は、SDGsの目標の中にも掲げられています。
生産者、事業者、家庭での取り組みを進めて、環境にやさしい長崎になっていくことに期待したいと思います。