北海道苫小牧市に本社を置く、コンクリートメーカーが開発した自動制御のドローンです。

曾澤高圧コンクリート デジタル経営本部 佐藤一彦 室長
「こちらは(最長飛行時間が)6時間、(燃料と積載量の合計は)200キロのスペック」
300ミリの大雨など、悪天候でも飛行が可能なエンジンを積んでいます。地震波を感知すると格納庫の天井が開き、ドローンは垂直に離陸。自動制御で、そのまま海へ向かいます。

上空から捉えた津波の映像を、スマートフォンなどを通じて住民へ伝え、避難する方角が、防災アプリに表示されます。
4月に運用が始まり、津波による犠牲者を減らす、「減災」に備えています。
松前藩の古文書です。400年ほど前に北海道を襲った、巨大津波による被害が、生々しい言葉で記されています。

《松前広長 編『福山秘府』1611(慶長16)年より~「冬十月、東部逆波(さかなみ)海水溢れ、人夷(じんい)死者多し」》
何度も北海道を襲ってきた地震と津波。次はいつ、起きるのか…。
北海道根室沖に絞った海底データの収集と解析から、巨大地震につながる兆候を探る研究は続いています。
東北大学 災害科学国際研究所 富田史章助教
「根室沖の千島海溝沿いに近いところで、“大きな滑り”があるか否かは、大きな津波が発生するかどうかに関わる。そこを調査する意義は非常に大きい」
避けられない巨大な災害に、それぞれの「備え」は、その日のために続いています。
堀啓知キャスター)
400年間隔で発生している根室沖の巨大地震は、すでに警戒すべき段階に入っていることになります。北海道沖には、ほかにも気がかりなエリアがあるそうです。
◆《【太平洋側の震源の空白エリア】》
森田絹子キャスター)
2000年以降に発生したマグニチュード2以上の震源地、約64万か所を、立体的に示したデータです。
地震の規模や、震源の深さを赤や黄色でマークしていますが、太平洋側の北海道沖にある2か所。

ほぼマークが付いていない、この2か所は、2000年以降、地震が発生していない【震源の空白エリア】となっています。
東北大学 災害科学国際研究所 富田史章さんは、一つの可能性として…。

【地震エネルギーが蓄積されている】とも考えられ、また【プレートどうしがすれ違っているだけ】とも考えられ、今後、観測計画を練る必要があるとして注目しています。
堀キャスター)
巨大地震は防げずとも、大切な取り組みは“減災”です。
地震発生直後、"津波の動き"を大型ドローンで捉えて、専用アプリに避難情報を送る、福島県浪江町の取り組みは、津波被害が想定される地域でも、注目されそうです。

ゲスト アンヌ遥香さん)
「私もTBSで報道に携わっていたので、東日本大震災が起きたときに、被災地に取材に行きました。津波は想像以上の広さで押し寄せてくるので、海沿いにお住いの方は、遠くというよりも、より高いところを目指して避難することが、本当に大事だと思います。いざという時に、ご家族どうしで、事前に話し合っておかないといけないと思っています」
堀キャスター)
地震列島の日本に暮らす私たちにとって、大袈裟にも聴こえるかもしれませんが、巨大な地震は、つねに間近に迫った脅威と捉え"もはや待ったなし"で備えていることが、大切かと思います。