“日本の国民性を活かした”もう1人のキーマン

日本男子バレーを急成長させたもう1人のキーマンはフィリップ・ブラン監督。

『月刊バレーボール』豊野編集長:
「2017年にコーチとして日本に来て指導を始め、日本代表は順調に強くなった」

フランス人のブラン監督には“独特の指導方針”があったと話すのは元日本代表の福澤達哉さん(38)です。
「悪い言い方をすればすごくうるさい人。練習でも試合でも、1プレーごとに『そのポジションじゃない!』って声を荒らげて怒る」

ブラン監督は、ブロックやレシーブも、飛ぶ位置、入る位置を決めて徹底。この細かい指導、実は“日本文化を理解した上での戦略”でした。

フィリップ・ブラン監督:
「日本人は注意深くひとつひとつの決定を下していく。何かを決めたらそれを変えることはないという前提で物事を決めているような気がします」

福澤さんは、「欧米の選手は個が強く、監督と意見が合わないと歯車が狂う」とし、「日本は比較的和を尊重する国なので、まず一生懸命やるということが日本の国民性にうまくハマった」とブラン監督の指導を振り返ります。

こうしたブラン監督の指導が実り、2021年の東京オリンピックでは、必殺技「フェイクセット」がさく裂。スパイクを打つふりをしてトスをあげ、別の選手がスパイク!という技で相手をほんろうし、バルセロナ五輪以来、29年ぶりのベスト8進出を果たしました。

さらに2023年のネーションズリーグでは、国際大会では46年ぶりのメダルとなった銅メダル!今年のパリ五輪出場権も獲得し、現在世界ランキング2位となった日本代表が52年ぶりのメダルに挑みます。

男子バレー元日本代表 福澤達哉さん:
「この前、ブラン監督と話した時にメダルを取るのが夢だと言っていた。自国開催のオリンピックに対する思いは非常に強いものがあるのではと感じている」

“恒例の儀式”仲間へ安住アナがエール

石川選手は過去に数回『THE TIME,』に生出演し、スタジオで手加減ナシの強烈スパイクを打ち込み、それを安住紳一郎アナが体を張って受けるという“恒例の儀式”も話題に。

そんな石川選手に安住アナは「コート上でプレーしていても、やっぱりなんか気持ちがぐっと一緒になる感覚がある」と話し、五輪での活躍を期待した。

パリ五輪では、予選ラウンドの組み合わせが発表され、日本はドイツ(世界ランク11位/7月27日)、アルゼンチン(8位/7月31日)、アメリカ(5位/8月3日)と対戦する。

(THE TIME, 2024年7月3日放送より)