「とにかく黙らせないと」
弁護側は、Aさんにも落ち度があったと主張を展開。
【弁護側の陳述】
「Aさんには罪悪感というものがなく、不誠実だ」

Aさんから交際を持ち掛け、男の妻に関係が知られた後も、謝罪など妻からの要求には応じず、さらにAさんの脅迫めいた行動や言動が男を追い詰めたと主張。
男は犯行当時、車内でのAさんの暴言に耐えられず「とにかく黙らせないと」と考えて、ハンマーで殴ったと話した。
殴って、Aさんは初めて謝ったという。
Aさん「ごめんなさい」
男「いままで許してくれなかったよね」
【検察側の陳述】
確かに、Aさんの言動は事件と無関係ではない。しかし、それは被告人が関係を続けるための身勝手であいまいな態度に原因があるのであって、被告人の犯行が強い非難に値するのに何ら変わりない。
【被告人質問 男と裁判長】
男「私からは、Aさんとの縁を切ったり、別れたりはできないと思っていました。Aさんから(脅しで)『別れる』と言ってきた時には、会社、家族全部失うと思って…。ただただ、先延ばししていただけだった、と思います。我慢していれば、いつかは終わるんじゃないか、と思っていました」
裁判長「…いつかって?」
男「…わかりません」
裁判長「Aさんに対して好意はありましたか?」
男「女性として好き、という気持ちはなかったんじゃないかと思います。怒らせてはいけない、という、恐怖心がありました」